第99回定例研究会を2024年08月01日(木)18:30より開催いたします

 

参加無料、どなたでも参加できます。御参加の方は、下記リンク先の申し込みフォームよりお申し込み願います。

 

会の模様はZOOMで視聴できます。
参加の方へは事前にURLをお送りいたします。

 

<記>
第99回 定例研究会
■日 時:2024年08月01日(木)18:30~20:00
■場 所:それぞれの自宅(ZOOM)
■テーマ:地域包括ケアシステムのモデル~米国CCRC
なぜ日本でCCRCが発展しないのか?
どうすれば、CCRCが実現できるか!
事例をもとに、文化的・制度的・経済的側面から考える
■講 師:CCRC研究所 窪田昌行

 

今回は、新しい視点で、アメリカのCCRC、日本版CCRCについて紹介したいと思います。


CCRCは、住まいを中心として生きがい、予防を大切にしたウェルネスモデルと最後まで看取れるエイジング・イン・プレイスを実現する我が国が目指す地域包括ケアシステムの5つの機能(住まい・生活支援・予防・医療・介護)をもっています。全米で2000ヵ所、およそ100万人の高齢者が暮らしています。
 
アメリカのCCRCは、いまやイギリス、デンマーク、スウェーデンでも新しい高齢者ケアのあり方として注目され、それぞれの国で進化、発展しています。
 
日本でもCCRCは必要であり、これから発展していく可能性が高いと考えます。
 
本日の研究会は、1時間程度説明し、その後で、「なぜ日本でCCRCができないのか?」、皆さんと意見交換し、「どうすれば、日本版CCRCが構築できるのか?」について、協議する時間にできればと思います。

 

研究会講演の概要を説明します。


アメリカのCCRC(Continuing Care Retirement Communities、継続的ケア付リタイアメントコミュニティ)は、高齢者が独立して生活するための環境から、必要に応じて介護サービスや医療サービスを受けられる看取りの段階まで、一貫した生活支援を提供する施設です。
 
これにより、居住者はライフスタイルの変化に応じて異なるケアレベルのサービスを、同じコミュイテイ内で利用し続けることができます。 これにより、日本で変革、実現が目指されている次の2つの分野で参考になるモデルではないかと考えます。
 

1.回復期・慢性期病院の転換モデル
2.地域包括ケアシステム構築のモデル

 

CCRCの歴史は、高齢者の生活とケアのニーズに応じて進化してきました。シカゴに1858年に創設されたThe Admiral at the LakeのようなCCRCは、その始まりを示す象徴的な存在であり、160年以上かけて現在まで続く包括的なケアのモデルを確立しました。

 

現在のCCRCは、高齢者の豊かな生活を支えるための包括的なサービスと快適な住環境を提供しています。医療介護、リハビリテーション、レクリエーション活動、教育プログラムなど、多様なニーズに対応するための施設が整っています。また、持続可能性や環境に配慮した設計が取り入れられるようになっています。

 

最近の研究からCCRCは次の5つの点で、日本の有料老人ホームと異なると考えます。


1.CCRCの理念
2.一貫したケア(医療・介護・リハビリ)
3.豊富なアメニティと充実したウェルネスプログラム
4.多様な入居料金システム
5.CCRCのような入居者中心の開発・運営システム

 

CCRCの理念

 
2024年、ニューズウィークが、初めてアメリカの2000のCCRCを調査、評価、採点し、ベスト250 を選定しました。ベスト10に入ったCCRCと今まで調査したCCRCを考えると、CCRCの理念宣言文と理念の要素は次のように掲げることが多いようです。

 

一貫したケア

 
CCRCでは、独立生活(Independent Living)、支援付き生活(Assisted Living)、スキルドナーシングケア(Skilled Nursing Care)、メモリーケア(Memory Care)、異なるケアレベルの住居とサービスが提供されます。居住者が必要とするケアのレベルが変わっても、同じコミュニティ内で継続的にケアを受けることができます。また、あらゆるレベルで、専門のセラピストが、必要に応じて、リハビリを提供します。

 

豊富なアメニティ

 
CCRCでは、食事、ハウスキーピング、交通手段、リクリエーション施設、フィットネスセンターなどの多様なアメニティが提供されています。居住者がアクティブで充実した生活を送るためのプログラムも充実しています。

 

また、CCRCでは、同年代の人々との交流の機会が多く、孤立感を軽減するためのサポートが充実しています。コミュニティイベントやクラブ活動を通じて、新しい友人を作り、趣味を共有することができます。

 

多様な入居料金システム

 
CCRCの入居料金システムは、多様なニーズに対応するために、主に「入居一時金」と「月次利用料金」の2つの主要な費用項目があります。入居一時金は、CCRCに入居する際に一度だけ支払う大きな初期費用です。この費用は、施設の維持・管理、将来的な医療・介護サービスの保証、および入居者が退去する際の一部返金に充てられます。

 

返金プランは、90%返金~50%返金までCCRCによって様々です。月次利用料金は、毎月支払う費用で、居住に必要な基本的なサービスと生活支援サービスをカバーします。この料金は、居住ユニットの維持、食事サービス、ハウスキーピング、公共料金、レクリエーション活動などに充てられます。

 

入居者中心の開発・運営システム

 
CCRCの開発方法は、入居者が集まって、NPO法人を作り、設計から建築、運営まで、入居者が中心となって建築する場合と、CCRCデベロッパーが開発し、入居者のNPO法人に売却するケース等いろいろあります。いずれにしても、CCRCは多くの場合、入居者たちの自治になります。運営については、CCRC運営会社に委託するケースが多いようです。

 

CCRCと日本の有料老人ホームとの違い

 

日本の有料老人ホームと比較すると、CCRCは、一貫したケアの提供、ライフケア契約による経済的な安心感、豊富なアメニティとプログラム、社会的交流の機会、個別化されたケア、そして予測可能な費用など、多くの面で日本の有料老人ホームよりも優れた点があります。これらの特徴により、CCRCは高齢者が安心して充実した生活を送るための理想的な環境を提供しています。

 

また、CCRCの理念である「人生を統合する」、「人生を祝福する」、「目的をもって生きる」、「ポジティブ・エイジング」は、高齢者が充実した人生を送るための重要な要素です。これらの理念は、日本の有料老人ホームにはあまり見られない特徴であり、CCRCの優れた点と言えます。CCRCは、高齢者の生活の質を向上させるための包括的なアプローチを提供しており、高齢者が安心して、充実した人生を送るための理想的な環境を整備しています。

 

取り組んでいる日本版CCRCの3つの種類

 
日本版CCRCとして次の3種類のタイプの実現に取り組んでいます。当日は今取り組んでいる日本のケースについても紹介します。
1.ネットワーク型
2.ワンプレイス型
3.自治体型 (内閣府、地方創生交付金活用型)

 

日本でCCRCが発展しない理由

 
発展しない理由は、社会的、経済的、文化的、政策的な要因が複雑に絡み合っているためです。急速な高齢化や家族介護の伝統、経済的な負担、文化的な価値観の違い、法制度の整備不足などが主な障壁となっています。これらの要因を克服するためには、政策的な支援や認知度向上のための取り組み、成功事例の創出などが必要です。

 

日本で発展していくために必要な2つのシステム】

 
CCRCは日本でも必要であり、発展する可能性が高いと考えられます。高齢社会における包括的なケアニーズの増加、家族介護の限界、そして高齢者の生活の質の向上という観点から、CCRCの導入は重要です。

 

また、政策支援の拡充、経済的インセンティブ、社会的な認知度の向上、文化的変革が進むことで、CCRCの発展が期待されます。具体的に、日本版CCRCを発展させていくためには、次の2つのシステムの構築が必要だと考えます。

 

1.入居一時金返金システム
2.入居者を中心に考えたCCRCのような日本版CCRCの開発・運営システム

 

※参加申込フォーム

皆様のご参加をお待ちしております。