生涯活躍のまち
「生涯活躍のまち」構想を実現する手順

「生涯活躍のまち」構想とは、わかりやすく言えば、自分のまちを見つめ直し、人々が移り住んでくる"魅力的な"まちをつくることです。
そのために米国のCCRCを参考に、地域の特色を活かしながら、それぞれのまちで"日本版CCRC"を構築していくことが本構想の意義といえます。
その際、我が国が2025年に実現をめざす"地域包括ケアシステム"と連携し、高齢者のそれぞれのライフステージに応じた暮らし方を提案することによって、健康で可能な限り自立して、前向きに生活したい高齢者の希望を実現します。
特に生活コストの高い東京圏の高齢者には、地方では生活コストが大幅に低く、しかも長年にわたって医療介護サービスの充実してきた地方のまちでは、
医療・介護の心配のない環境で健康寿命を延ばし、人生を充実したものにしていくことが実現されていく点において、本構想は大きな意義をもっています。
一方、本構想は50代から70代の幅広い年齢層の移住を目的としていますが、50代、60代、70代の移住希望の目的は異なっており、
それぞれの世代の希望を実現していくには、マーケティングの考え方を活かしていくことが大切です。
とりわけ、マーケティングの"STP"の3つの枠組みが重要で、
Sはセグメンテーション
Tはターゲティング
Pはポジショニング
です。
セグメンテーションとは、
市場細分化のことで、多数の人々を同じニーズ、性質の固まり(セグメント)に分けることです。
ターゲティングとは、
市場細分化した後に、だれを対象にするか選択することです。
ポジショニングとは、
対象の高齢者のこころの中に、そのまち独自の位置づけ(特色)を植え込んでいき、ほかのまちに負けない魅力をつくりあげることが重要です。
いま、全国で263の地方自治体(全自治体の14.7%)が「生涯活躍のまち」構想に取組んで、魅力的な「生涯活躍のまち」づくりをスタートしたところです。
日本版CCRCの魅力づくりにおいて重要なことは、魅力ある、質の高いサービスを、適正価格を実現することが求められており、米国のCCRCの仕組みが参考になります。
そのためには、適切なコンセプト、適切な基本構想・計画と適切な事業者の三つが大切です。
そして、地域の要望に合った、生涯活躍のまち~日本版CCRCを構築していくためには、前述のマーケティング、ファイナンス、マネジメントについても学び、卓越していく必要があります。
生涯活躍のまち~日本版CCRC実現のために、まち・ひと・しごと創生本部の日本版CCRC有識者会議の最終報告をもとに、これらの考え方、手順について、お話していきたいと思います。
- 1.地域包括ケアとの連携
- 2.介護保険など社会保障費に与える影響・効果
- 3.7つの基本コンセプトの考え方
- 4.基本コンセプトから基本計画への作り方
- 5.安定した事業の仕組みと考え方